通常ドメインといえば、ウェブサイトを識別する住所アドレスのようなものです。
同様にウォレットアドレスを識別する「NFTドメイン」というものが存在します。
インターネットの在り方がweb3.0へと移行していく流れで、このNFTドメインの需要が高まりつつあるのです。
また、NFTドメインは「世界に一点だけの文字列」「完全に早い者勝ち」という性質上、投資対象としても注目されています。
当記事ではNFTドメインの概要から、売買して利益を得る方法を解説します。
NFTドメイン(ブロックチェーンドメイン/ENSドメイン)とは
通常のドメイン(DNS)は「.com」「.jp」といったようなTLD(トップレベルドメイン)が使われます。
対して、NFTドメイン(ブロックチェーンドメイン/ENSドメイン)の特徴は末尾に以下のようなラベルが付きます。
- .nft
- .blockchain
- .crypto
- .coin
- .wallet
- .eth
- .bitcoin
- .x
- .888
ほとんどのラベルが、仮想通貨関係に由来していることがお分かりになるかと思います。
ではこのNFTドメインの役割と、OpenSeaで高額で売買される理由について解説します。
NFTドメインの役割は“仮想通貨の送金簡略化”
NFTドメインは暗号資産のウォレットと紐付けることで、煩雑だった送金作業が簡単に行えるようになり、誤送金防止にも役立ちます。
通常、ウォレットへ送金する際は英数字26~42文字の暗号アドレスの入力が必要になります。
しかし、ウォレットにNFTドメインを紐付けることで複雑な暗号アドレスを使わずに送金できるのです。
- 従来の暗号アドレス
[0xAm800Apy01i0X022S60D2CVN] - NFTドメインを紐付けた場合
[dog.eth]
上記は例ですが、どちらが送金しやすいかは一目瞭然かと思います。
また、ウォレットにNFTドメインを紐付けることで複数の仮想通貨銘柄を一つの送金先に指定することが可能で、アドレス管理が圧倒的にラクになるのです。
NFTドメインの文字列の価値は“アイデンティティ”
「仮想通貨の送金がラクになるだけならどんな文字列でも良いんじゃない?」
実際はその通りです。
ただ個人名や企業名、サービス名、あるいはそれに関連する固有名詞の文字列に需要があるのは確かです。
また、短い文字列であればそれだけ使い勝手が良く、ユニークなNFTドメインは「単純に面白いから」という理由で好まれます。
例としてブログやプログラミングで有名なインフルエンサーのマナブ氏が、自身の名前のNFTドメインを取得した旨をツイートしています。
よし、NFTページをアップデートしました😌
まだまだ数は少ないですが、NFTマーケットの拡大を考えつつ、徐々に動いていきます。なお、新しく「manabu.nft」のドメインも取得済み。NFT世界を楽しみますhttps://t.co/rQAQ3vlMei#CryptoPunks #PudgyPenguins #Hashmasks pic.twitter.com/2dmtg07KmU— Manabu (@manabubannai) October 8, 2021
実際に売買された人気NFTドメイン事例
NFTドメインは特定の文字列に需要があり、一度取得してしまえば二つとない文字列を独占することができます。
そのため、NFTマーケットプレイスでは高額で取引されている例が多いです。
実際に売買された有名なNFTドメインの例をご紹介します。
sex.crypto:約1,600万円
2020年8月、世界最大のマーケットプレイスOpenSeaで「sex.crypto」というNFTドメインが高額で売買されました。
sex.cryptoは230ETHで取引され、当時の価値で9万ドル(約1,600万円)という記録的な価格で売買されています。
※2022年5月現在の価値だと約47万ドル(約6,000万円)
また、NFTドメインではありませんが「sex.com」という文字列が1,300万円で売れたとしてギネス記録になったことも……
beer.eth:約322万円
2021年8月、大手ビールブランド「バドワイザー」の販売元アンハイザー・ブッシュ社が、OpenSeaで「beer.eth」のENSドメインを購入しました。
取引価格は30ETHで、約2.5万ドル(約322万円)という高額の取引となり話題となりました。
NFT事業に参入する企業は続々と増えています。同時にbeer.ethのようなサービスに関連するNFTドメインが高額で取引される未来が見えてきますね。
darkmarket.eth:約6.6憶円
2017年5月、「darkmarket.eth」というENSドメインが28,555ETHで購入されました。
当時の価格で約6.6憶円ほどの高額取引で、ENSドメインの知名度が爆発的に広がるきっかけとなりました。
darkmarketという文字列からは怪しさしか感じられませんが、誰かがこの名前をウォレットアドレスとして使いたかったということですね。
NFTドメインの転売・投資で稼ぐことはできるか
高額で取引されるNFTドメインですが、大きく稼げる可能性は十分に高いです。
今後、市場を牽引するであろうメタバース(仮想現実)上では、NFTの取引や仮想通貨の送金が主となります。
また日常での支払いも、現金払いからキャッシュレス決済と変わりつつあることを踏まえると、仮想通貨支払いに置き換わっていくことは想像に難くありません。
そして仮想通貨支払いが一般化すれば、ウォレットでの送受金が盛んに行われるようになります。NFTドメインの需要が上がってくるのは必然です。
何よりNFTドメインは一度取得すれば永久的に自分が所有できるため、完全に早いもの勝ちの世界です。
それに、ブロックチェーンドメインサービスは発足から間もなくまだまだ世間に浸透しきっておらず、先行者利益という目線でも有利です。
とくに投資や転売目的であれば、早いに越したことはありませんね。
NFTドメイン(ENSドメイン)の買い方と取得方法
NFTドメイン(ENSドメイン)の取得には、事前に暗号資産取引所での無料口座開設とウォレットの作成が必要となります。
口座開設とウォレットの作成が済んだら、NFTドメインを取得できるサイトで希望の文字列を探し、購入します。
「.eth」ラベルのドメイン(ENSドメイン)は「Ethereum Name Service(イーサリアムネームサービス)」で購入します。
下記のラベルのNFTドメインは「Unstoppable Domains(アンストッパブルドメイン)」で購入・取得します。
- .crypto
- .nft
- .x
- .wallet
- .bitcoin
- .dao
- .888
- .coin
- .zil
両者のドメインサービスはマーケットプレイスの「OpenSea」上でも販売しており、そちらでも購入することができますが、特定の文字列を細かく指定するのであれば公式サイトでの購入をおすすめします。
Unstoppable Domainsでは、会員登録せずともNFTドメインを検索し価格をチェックすることができます。
まずは取得予定の文字列を確認してみて、予算と見合わせて検討することをおすすめします。
NFTドメインの選び方
NFTドメインやENSドメインは、文字列を選んで取得する必要があります。
自分用のNFTドメインであれば、ご自身の名前や企業名、サービス名を取得すれば良いのですが、投資・転売目的だと将来性のあるドメインを選ぶ必要があります。
このドメインは絶対に価値が上がる!という確証がない限り、万人に好まれる文字列を取得するべきです。
人気で好まれやすい文字列の特徴をまとめますので、ドメイン選びのヒントにしてみてください。
3文字のドメインを取得する
文字数の少ない文字列は、好まれる傾向にあります。
これはNFTドメインに限らず、TwitterIDでも同じです。実際に「@N」という一文字のTwitterIDには、5万ドルで譲って欲しいというオファーがきたと話題になりました。
このように文字数が少ないドメインやIDが人気なのは、登録者が増えるにつれて文字数が埋まっていき、「もう取得できない」という希少性が生まれることが理由として挙げられます。
また、「送金時にウォレットアドレスに入力しやすい」「単純に目立つから」という意味でも需要があります。
固有名詞のドメインを取得する
ビールブランドであるバドワイザーが「beer.eth」のENSドメインを高額で購入したように、企業が自社のサービスに関係する文字列をステータスシンボルとして欲しがる例があります。
他にも、通常ドメインの例ではありますが「diamond.com」がオンライン宝石店に750万ドルで、「toys.com」がおもちゃ屋のトイザらスに510万ドルで購入されるなど、数々の例があります。
以上の事例に倣って言えることは、NFTドメインは固有名詞(意味の通る)の文字列の需要が高いということです。
NFTドメインの売り方(OpenSea)
取得したNFTドメインは、マーケットプレイスで売ることができます。
取引所での口座開設とウォレット作成、OpenSeaにウォレットの接続が完了した前提で解説します。
それぞれ固定価格で出品する方法と、オークション形式で販売する方法を解説します。
固定価格で出品する
- OpenSeaのプロフィールにアクセス
- 保有しているNFTドメインが表示されるので、販売するNFTドメインを選択する
- [Set Price]を選択し、[Amount]の欄に金額を入力
- [Post your listing]をクリックすると出品が完了
オークション形式で出品する
- OpenSeaのプロフィールにアクセス
- 保有しているNFTドメインが表示されるので、販売するNFTドメインを選択する
- [Highest Bid]を選択する
- [Minimum Bid(開始価格)][Reseve price(最低価格)][Expiration Date](販売期間)を設定する
- [Post your listing]をクリックすると出品が完了
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